ラポール(Rapport)とは元々心理学用語で
クライエント(依頼人)との間の
相互信頼関係を表現した言葉ですが、
現在では、カウンセリングの他、
営業や教育や恋愛等、
いろいろな分野で広く使われています。
ミラーリングやペーシングといった
ラポール・テクニックのほか、
営業に必要なラポール技術を
ご紹介しますので、
お客様との間にラポールを築き、
商談をスムーズに進める上で、
参考にしてください。
目次
1.ラポ-ルとは何か
2.ラポールを築く基本(キャリブレーション)
3.ラポールを築くテクニック
4. 相手に合せて効果的にラポールを築く方法
5. ラポールとは営業における第一段階のスキル
6.まとめ
目次(クリックすると自動で飛びます。)
1. ラポ-ルとは何か
ラポール(Rapport)とは
フランス語で「橋をかける」という意味で、
英語読みではラポートとなります。
ラポールは、オーストリアの精神科医
フランツ・アントン・メスメルが
クライエント(依頼人)との間の
相互信頼関係を表現した言葉です。
元々心理学用語のラポールですが、
現在は一般的にも良く知られている言葉です。
1-1. ラポ-ルとは親密な信頼関係
ラポールは心理学用語で、
相手と心が通じ合い、互いに信頼し、
相手を受け入れている状態を意味します。
現在では、カウンセリングの他、
営業や教育や恋愛等、
いろいろな分野で広く使われています。
1-2.ラポートトークとリポートトーク
アメリカの言語学者デボラ・タネンは、
人の話にはラポートトークと
リポートトークがあると言っています。
ラポートトーク(rapport-talk)は、
相手とのつながりを深め、
信頼関係を構築しようとする話し方です。
ラポールを築くことで、
本音を引き出すことが可能になり、
相手に対する説得力も高まります。
リポートトーク(report-talk)は、
客観的な内容を間違いなく
伝えようとする話し方です。
ビジネスでは、
論理的で明快な説明が大切ですが、
事務的で面白みに欠けてしまいます。
そこで、営業の立場では、
ラポートトークで共感を得、
リポートトークで正しい情報を伝える、
というように使い分ける必要があります。
2. ラポールを築く基本(キャリブレーション)
キャリブレーションとは、言葉以外のサインで
相手の心理状態を認識するテクニックです。
人は言葉と態度が
必ずしも一致しているとは限りません。言葉では「大丈夫!」と言っていても、
表情は苦しそうだったりする事があります。見るポイントは「姿勢・動き・呼吸・表情・
声のトーン・テンポ」などがあります。NLPスキル・用語集|広島 NLPトレーニングのグロウアップ|〜企業研修
ただ、初めて会った人の場合、
以前と比較することが出来ませんし、
必要以上に気持ちを探ろうとすると
嫌われる恐れもあります。
そういったことに注意しながら、
相手をしっかり観察し、心の状態に気付きましょう。
3. ラポールを築くテクニック
ラポールを築くための
よく知られたテクニックは次の3つです。
3-1.バックトラッキング (オウム返し)
バックトラッキングとは、
相手が使った言葉をオウム返しに使って
会話を進める手法です。
相手の言ったことを返すことで、
相手の話を聞いていて、
受け止めていることを伝えることができます。
相手は自分の話が理解され
受け入れられているという
安心感や信頼感を持ちます
3-1-1.バックトラッキングの方法
自分の言葉に言い換えないで、
相手が話した言葉そのまま、
または少し変えて返します。
相手の話が少し長くなったら、
話を要約して返します。
相手の話の中に出てきた感情
例えば、悲しい話を聞いて、
涙を流すように、
相手に共感することも効果的です。
3-2.ミラーリング (相手の仕草を真似る)
ミラーリングとは、
相手の姿勢、身振り、手振り、
表情などを似せることです。
人は、自分に似ている相手に対して
好意を持つ傾向がありますので、
相手はあなたを自分と似た存在だと認識し、
警戒心を解きます。
3-2-1.ミラーリングの方法
相手の仕草や姿勢を
鏡に映しているように真似る手法です。
相手にマネをしていることがバレないよう、
タイミングをずらしたり、
相手が目上の場合、真似ると
失礼になることもあるので注意します。
3-3.ペーシング (相手の話し方を真似る)
ペーシングとは、
相手の話し方やリズムに合わせることです。
人は、自分に似ている相手に対して
好意を持ちますので、
相手はあなたを自分と似た存在だと認識し、
警戒心を解きます。
3-3-1.ペーシングの方法
相手の話すスピード、声の大きさ、トーン、
音色、テンポ、リズム、呼吸等を
真似る手法です。
人それぞれ、話し方には特徴があるので、
その特徴をつかまえ歩調を合わせます。
また、相手が沈黙しているときは、
相手の沈黙に合せます。
4. 相手に合せて効果的にラポールを築く方法
人は五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)
を通して、情報を処理していますが、
どれかに集中する傾向があります。
ただし同じ人でも、時と場合によって
変化することがありますので、注意が必要です。
ラポールテクニックは、3種類の感覚的な
模倣を用いたコミュニケーションスキルから
相手との信頼関係を築く方法ですが、人は本来、情報を得るための
五感のいずれかが優位になっています。「視覚」が優位なタイプ、「聴覚」が優位なタイプ、
「身体感覚(触覚・味覚・嗅覚)」が優位なタイプに分かれます。
これをそれぞれの頭文字Visual(視覚)、
Auditory(聴覚)、Kinesthetic (身体感覚)
をとって「VAKモデル」と呼びます。
4-1.視覚が優位なタイプの場合
視覚が優位なタイプの人は、早口で、
イメージを手で表そうとする傾向があります。
視覚が優位なタイプの人に対しては、
ミラーリング(相手の仕草を真似る)が効果的で、
相手と同じ姿勢、身体の動き、表情をします。
同じような服装をして、
「見通し」「ビジョン」など、
視覚に関連する言葉を使い、
図や絵やモノを見せるのも効果的です。
4-2.聴覚が優位なタイプの場合
聴覚が優位なタイプの人は、
話のテンポが普通です。
聴覚が優位なタイプの人に対しては、
ペーシング(相手の話し方を真似る)が
効果的です。
言葉遣いや話すスピードを相手に合わせ、
「ハーモニー」など、聴覚的な言葉を使い、
モノの特徴を話したり、
論理的な内容を話すのも効果的です。
4-3.身体感覚(触覚・味覚・嗅覚)が優位なタイプの場合
身体感覚が優位なタイプの人は、
非常にゆっくり話す傾向があります。
感情の強さを相手に合わせ、
「熱くなる」「固く感じる」など、
身体感覚的な言葉を使い、
モノを手にとらせるのも効果的です。
5. ラポールとは営業における第一段階のスキル
初めて会ったお客様などはこちらに対して
警戒感や不安感などを抱いていますが、
お客様との間にラポールを築くことで、
商談がスムーズに進むことが期待できます。
ラポール構築には、
ラポール・テクニックも重要ですが、
下記も大切なので、参考にしてください。
- あなた自身が相手と親密になり;
信頼関係を作りたいという気持ちが大切です - 自分が相手に
関心を持っていることを示すことにより、
相手は、あなたのことを好意的に受け取り、
親しみを持ちます。 - 相手の考え方、性格などを受け入れ、
こちらから心を開くと、
相手も話しやすくなり、
営業の話にも入っていきやすくなります。 - 相手には、
それまでの体験に基づく人生観があり、
その人生観を尊重することが大切です。 - 相手が言いたいことを
しっかり聞くことが大切です。 - 相手との間に、共通点があると、
好感が高まるので、
出身地、出身校、趣味、経歴など
共通点がないか探します。 - 共通の話題があり、
その話題がニッチであればあるほど、
多くの人は相手に対して親しみを持つので、
共通の話題をつくります。 - 相手が大事にしているもの、
自信を持っているものに気付いて、
それを褒めたら悪い気がしません。
6. まとめ
お客様との間にラポールを築くことで、
商談をスムーズに進められますが
そのためには、
ラポール・テクニックを学ぶ必要があります。
しかし、技術やテクニックも重要ですが、
あなた自身が相手と親密になりたいという想いを
持つことが前提です。
ラポールを活用して、
お客様とより良い関係を築き、
信頼関係を構築しましよう。
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